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CAMPFIREの未来とテクノロジー

CAMPFIREは、Web3の技術を活かした新たなクラウドファンディングやコミュニティサービスの実現を目指し昨年にLivefor株式会社を設立しました。今回はCAMPFIREの社員が全員参加する全体会議の中で実施されたCAMPFIRE代表の家入一真と、Livefor代表の白川洸陽がCAMPFIREグループの未来とテクノロジーをテーマに対談したものをご紹介します。


CAMPFIRE/Liveforのこれまでと置かれている環境

(家入)こうやって二人だけで話すのは実は初めてかもしれないですね。何を話せばいいんだろう...笑

(白川)そうかもしれないですね(笑)家入さんはそもそも、どういう想いでCAMPFIREを始めたか、からお願いします。

(家入)CAMPFIREは「一円でも多く、一人でも多く想いとお金が巡る世界をつくる。」をミッションに掲げてますが、これは12年前にCAMPFIREを立ち上げた時から、日本の資本主義というOS(社会システム)をアップデートしていきたい思いがあるからです。少子高齢化で人口が減少していく中で、既存のインフラや国、自治体が機能不全を起こし始めていて、こぼれ落ちていく人たちが出てきています。地方で起きている課題と様々な産業で起きている課題は実は繋がっていて、その本質は、日本における様々な領域でまだ人口増・経済成長を前提としたモデルから抜け出せていないことにあります。それによって生じる格差などから、生きづらさを抱える人が増えてしまっているのかなと思います。この課題に向き合うために、新しいお金の流れ、支え合いの経済圏を作るクラウドファンディングと、その先にあるコミュニティが必要であり、ここを担っていくのがLiveforになると考えてます。

(白川)さらに言うとコミュニティを通じて、”やりたいことができる社会”をつくりたいですね。これから先は個人でできないことを複数人でやっていく必要があり、それがコミュニティです。Web3の登場によって脚光を浴びたところもあり、家入さんが仰ってたように資本主義やGAFAMのような一極集中する巨大プラットフォームへのカウンターカルチャーが起きていると思います。

コミュニティ運営に当たってはまだまだ課題があり、その一つは「自走力」が求められることです。結局のところ「これやりたいよね」と言っても時間がないなどの理由でできないことがあると思います。

(家入)CAMPFIREとLiveforで取り組んでいくDAOはその課題を解決できると思っていて、お金も集まってくるし仲間も集まる。また、CAMPFIREにはパートナーシッププログラムもあり、パートナーさんも含めてサポートしていくことでコミュニティベースの社会は作っていけると思っています。その様々なコミュニティ上で活動をする個人のスキルや活動履歴の可視化をすることで、色んなコミュニティとのマッチングが起きてくると思っています。

(白川)これまで自分で経歴書を作って信用を担保してきましたが、例えば、CAMPFIREではある賞を受賞した場合、SBTと言われるWeb3のバッジとしてみなさんについていくんです。またそのSBTの信用の担保として、例えばその賞の評価を家入さんが行っていた場合には、家入さんが評価した、という信用がつくことになる。それがあることによって自分の経歴に対する信用担保はもちろんですが、興味あるコミュニティとマッチングできて、自分が共感できるようなところに入れる。その先に自分でコミュニティを立ち上げることができるし、自分についたSBTによって仲間が集まり、CAMPFIREのクラファンでお金が集まり結果的に自分のやりたいことができてくる、そんな社会をCAMPFIREとLiveforで作っていけると思うんですね。

来年度、DAOを作っていき個人が輝けるようSBT、KYCプラットフォームをLiveforで作っていきたいと思っています。最終的に、僕が描いている世界はCAMPFIREで家入さんとアプローチが違うだけで目指すことは同じだと思っているのでLiveforはCAMPFIREと一緒に取り組んでいきたいです。

CAMPFIREグループがミッションの実現に向けて目指す方向

(家入)
元々はCAMPFIREはクリエイターやアーティストの方がマイクロパトロンを集められるようにしようという話から立ち上げました。しかしサービスのローンチを進めていく中で、東日本大震災が起きた。日本におけるクラウドファンディングは、まず震災復興で大きく使われたんですね。その後も様々な災害や、コロナによるパンデミックなどもありました。そういった有事の際に、CAMPFIREがあって良かったと言っていただけることがすごく多くて。クラウドファンディングが支え合いの経済圏、社会的インフラとなりつつあるのを実感しています。白川さんが作りたいコミュニティはどんなイメージですか?

(白川)結構漠然としていますが、僕がやりたいのは家族や身の回りの人の課題解決です。僕のDAOでも他のDAOでも行動を起こして人を幸せにできる力を持っているのであれば、少なくとも自分の目の届く範囲の人たちは幸せになっていくんじゃないのかなと思っているので、自分が行動していくにつれて周りの人を巻き込んでいくようなコミュニティを作っていきたいなと思います。家入さんはこんな未来があったらいいなというのは何かありますか?

(家入)そうですね、みんなが家族になっていくみたいな世界観、共同体みたいなそんな世界になったらいいなとは思うんですね。

僕の居場所づくりの活動の「リバ邸」というシェアハウスを、僕たちは最初、“擬似家族“と呼んでいました。ですが、そもそも「家族」ってちゃんとした定義はなくて、血の繋がりや一緒に暮らしていることを持って「家族」だとみんな思いがちだけど、実は定義がない。社会学者の方に、「そこに属する人が家族って思えたら、それは家族なんだよ、だから『擬似』」ってつけなくていいんだよ」って言われて以来、共同体を一つの家族のように見えるようになってきました。

また、全国各地のパートナーさんに会いにいくとパートナーさんがサポートしてくれたプロジェクトオーナーさんに会えたり、その周りの地域で活動する人たちに会えたりとか、その中で支え合える経済、コミュニティが生まれているんですよね。日本中の地域でそうした共同体が重なり合うような世界を、資本主義のOSの上に作り出すことが理想です。

様々な共同体が重なり合う世界を実現すれば、どこかでこぼれ落ちたとしてもどこかには引っかかるし、引っかかったその居場所でまた、挑戦や自分がやりたいことを実現できる世界ができると思うんですよ。資本主義の中でこぼれ落ちても、どこかのコミュニティに引っかかることができる社会を生涯を通じて実現したいと思っています。

これから実現させる未来

(家入)この10年くらい“個の時代“と言われ、YouTuberや色んな人がSNSで出てきて、個で戦える時代になったんだとか、フリーランスでも大丈夫って人もいますけど、成功した人は1割2割で、他の8割の人は上手くいってなかったりもする。そして、失敗した原因は自己責任だよねってことになる。
挑戦ばかりが促され、失敗した時には自己責任。そんな社会では誰も挑戦をしなくなります。失敗しても受け入れてくれる社会、コミュニティがあって初めて、人は挑戦できる。

(白川)僕が実現させたいのはコミュニティベースになっていくことの先にある個人のエンパワーメントみたいなところについて。web3と言ってもその信用ってどこにあるんだろうと思うと正直今でもアナログなんですよね。例えば、社内でやってる評価ってありますけど、その時は評価しても結局流れるじゃないですか。ストックされていかないんですよね。個人の頑張りやスキルについて、ブロックチェーン、NFTやSBTで、これまでの経歴やアイデンティティとして刻んでいく。あなたはこういったところに対して評価されていますよね、ということをしっかり紐づかせていくことがこの先のCAMPFIREにとって大切になってくるかなと思っています。

(家入)Web3とかNFTとかブロックチェーンとか出てきてますけど、やっぱり本質と向き合うことはすごく大事だなと思っていて。NFTブームの時も、NFTのデジタルアートの値段ばかりが話題になりがちだったけど、結局それってコミュニティに入ってほしいからそうしているわけであって、コミュニティに入るための参加料みたいな感覚もあったりするんですよね。そこを踏まえるとここ数年のテクノロジーの変化でいうとコミュニティに向かっているなと思いますし、僕らとしてこの先どうチャレンジしていけるのかってことがようやくできて嬉しいですね。


ブロックチェーンや社会環境や個人の価値観の変化はCAMPFIREの追い風です。CAMPFIREはLiveforができたことにより、グループ全体の技術のアップデートを目指します。事業成長に伴い、現在複数ポジションにて採用をしておりますので、興味を持ってくださった方はぜひ、ご応募ください。