クラファンで日本進出を加速:深圳イベントで見えた中国企業の可能性
2024年5月24日、CAMPFIREは、中国企業の海外進出支援事業を展開する中国のVinyl社と共催で、日本への参入を目指すメーカー向けに、中国・深圳でイベントを初開催しました。
CAMPFIREで生まれている海外プロジェクト
海外ではクラウドファンディングを通じて、新しい商品がぞくぞくと誕生しています。CAMPFIREでも、多くの海外製品が日本初上陸を果たしました。たとえば、場所を選ばず何にでも印刷できる小型印刷機「Princube」は、CAMPFIRE史上最も多くの支援が集まり、2万人以上もの支援者から総額3億円以上もの支援が集まりました。
こういったグローバル展開ニーズの高まりに伴い、CAMPFIRE社内では海外チームを設立しています。とくに高い技術力を持つ中国では、自社ブランドの立ち上げやオリジナル商品の開発がどんどん増えています。CAMPFIREは中国企業の日本への進出サポート体制を強化し、日本文化に馴染みのない中国企業をバックアップしています。
Vinyl社と取り組んだ、中国初CAMPFIREイベント
今回、CAMPFIREにとって中国初開催となるイベントを、パートナー企業のVinyl社と共催しました。満席の会場には、世界的に有名な企業から新進気鋭のスタートアップまで、たくさんの方々にご参加いただきました。
日本進出の成功法やより効果的なクラウドファンディング活用法、日本市場における中国ブランド成長の道筋とチャンスについて、パネルディスカッション形式で議論しました。
日本市場でのクラウドファンディング成功の秘訣
日本市場のクラウドファンディング商品に対する嗜好の特徴の話題では、日本人が何かを購入する際の特徴として「必要」と「欲しい」がとても明確になっていることが話されました。「必要」なものは主に通販ECで購入するのでクラウドファンディングを利用しません。一方で「欲しい」に刺さる企画には支援者が集まるので、いかにPRするかがポイントになってきます。
また、日本市場でのヒット商品に共通しているのはエンターテイメント要素がかけ合わされていることだと話されました。日本で言うエンターテイメント要素にはアニメだけでなく、「趣味」が含まれ、旅行や映画鑑賞、スポーツ、釣り、アウトドア(キャンプ)、ゲーム、観劇、全てエンターテイメントのグループに属します。例えば、「ガジェット×エンターテイメント」のPRができると日本人の「欲しい」を一層くすぐることができる、とまとめられました。
海外ブランドが日本で直面する課題
日本で直面する課題についてのディスカッションでは、販売の流通網をどうやって作るかが最も大きな課題として挙げられました。日本では百貨店や量販店が数多く存在し、消費者が集まりますが、大型のショッピング施設やテナントに商品が導入されないと、なかなかローカライズ事業は難しいのが現状です。そんななかでも、CAMPFIREが日本最大手の家電量販店ビックカメラと独自の連携ルートを持っていることは日本進出のサポートにつながる、と話題に上りました。
今回とくに話が盛り上がり、共感を得ていたのは、いかに日本で中国ブランドの信頼性を築くか、というトピックです。中国ブランドが日本市場で影響力を拡大するには、ブランドの信頼性と評判を確立することが非常に重要です。高品質な製品とサービスを提供し、消費者のフィードバックに積極的に対応し、日本のコミュニティとのつながりを築くことで、徐々に消費者の信頼を獲得できます。一方で、同時にブランドのユニークさと革新性に注力することで、激しい市場競争の中で差別化することも大切です。
盛況となった、日本でのクラウドファンディング相談会
また、当日は現地メーカーの方々向けにクラウドファンディングの相談会を実施しました。日本のクラウドファンディング市場で人気のある商品カテゴリや、ブランドがクラウドファンディングの日本市場に最適化するための方法、CAMPFIREがどのようにローカライズサービスを提供できるか、またクラウドファンディングが終了した後にブランドが日本で影響力をさらに拡大する方法や、オフラインでの販売についてなど、相談がありました。
イベントを終えて
イベントを終え、CAMPFIRE海外チームのLeeは、「このイベント前には、参加者のほとんどはCAMPFIREというプラットフォームを知りませんでした。しかしイベントを通じて多くの優れたメーカーがCAMPFIREを初めて知ることになり、中国市場でのCAMPFIREのブランド影響力をさらに拡大することができました。今後の顧客獲得につながる堅実なスタートアップだと思います。また、このイベントでは、米国最大手クラウドファンディングプラットフォームや中国最大手ECプラットフォーム、検索エンジンWeb広告プラットフォームなどからの協力意向も得られました。これは、今後日本のブランドを海外に広めるために重要な意義があります。今後も、より多くの面白い中国製品を日本市場で販売していきたいと考えています。」と話します。
また、今回イベントに登壇したCAMPFIREビジネスプロデュースユニットマネージャーの嶋崎は、「イベントを通して、AI技術が発展的な深圳には日本にはないアイデアが沢山あることがよくわかりました。そして、深圳の『テクノロジー×アイデア』をもっと形にしたり、伝えることがCAMPFIREにはできるのではないかと。ワクワクするアイデアは国境を超えることを肌で感じることができ、深圳のスタートアップやマーケットにより向き合って行きたいと感じました。」と語りました。
今回のイベントを皮切りに、海外企業の新製品がクラウドファンディングを通じて日本市場に挑戦できるよう、より一層取り組んでまいります。